窓に貼るだけで外からの熱をブロック出来る遮熱フィルムですが、透明の遮熱フィルムを施工したお客様からなぜ透明なのに熱をブロック出来るの?とういう超良い質問を頂いたので解説ブログを更新します🌟ミラーフィルムなら反射するので何となく想像出来るけど透明フィルムは確かに謎ですもんね!

赤外線をブロックしている

💡太陽光には目に見える〈可視光線〉と熱の原因になる〈赤外線〉が含まれてて赤外線は窓を通って室内に入り込み暑さを作る原因となります。そうです!透明遮熱フィルムはこの〈赤外線〉を跳ね返す・又は吸収する層が組み込まれてます

この層は
めちゃめちゃ薄いナノメートル単位(髪の毛の太さの1万分の1)のフィルムが何層にも重なったものや特殊な粒子がちりばめられた(例えると光をふるいにかける超細かい網)もので作られており、可視光線は通し赤外線だけをブロック出来るんです。

3MのNANOシリーズの技術

💡業界でも遮熱効果が高く高性能と謳われてる3MのNANOシリーズは多層工学フィルムと呼ばれ、ミルフィーユの生地を200層以上重ねたような構造で作られてます。

🍳NANOシリーズの作り方
・材料:ポリエチレンテレフタレート(PET)という、透明で丈夫なプラスチックをベースに使います。
・工程:超薄いPETの層を、厚さや屈折率が微妙に違うものを精密に何百層も積み重ねます。
🍳結果、NANOシリーズは
・層が光の波長に合わせて干渉を起こし、赤外線(波長780nm~2500nm)は、層の間で反射されて跳ね返されます。迷路に赤外線が迷い込んで出られない感じに!その一方で可視光(380-780nm)はスムーズに通過。これで透明なのに熱をカットするという仕組みです。

NANO70Sは近赤外線を90%以上カット、遮蔽係数(SC)は0.30とめっちゃ優秀です。その分ちょっとお高いです( ;∀;)

その他の赤外線をブロックする材料

👉セラミック系:セラミック粒子をナノサイズ(10-20nm)でポリマーに混ぜ込み、フィルム表面にコーティング。粒子が赤外線を吸収・散乱する。セラミックの量子効果で、赤外線エネルギーを吸収して熱に変換し、外部に逃がす。例えるなら、「赤外線をスポンジみたいに吸い取る」感じです。

👉セラミック+有機ハイブリッド:セラミックと有機染料を組み合わせたハイブリッド層。プラズマコーティングで、セラミック粒子と染料を均一にフィルムに埋め込む。セラミックが赤外線を吸収し、染料が特定波長をカット。例えるなら「赤外線を飲み込むカーテン」のような感じです。

👉IR拒否系:金属酸化物(酸化亜鉛など)をナノ薄膜を真空スパッタリングで均一に蒸着。こちらは薄いミラー効果を生みます。波長選択反射で赤外線を跳ね返します。例えると「赤外線を跳ね返す薄い鏡」

👉セラミックとポリマーの混合:塗布技術で、セラミック粒子をポリマーに混ぜてフィルムに塗る。シンプルでコストも安く済みます。赤外線を吸収・拡散。「赤外線をブロックする網戸」って感じです。

各メーカーの比較表

※メーカーが公表していないものが含まれてますので必ずしも正しい情報ではありません※

製品工法材料仕組みIR拒否率遮蔽係数
3M
NANO70S
共押出+多層積層PET+コポリエステル(金属フリー)ブラッグ反射で赤外線を跳ね返す90%+0.30
サンゲツ
コア70
ロールtoロールコーティングセラミック+ポリマー吸収・拡散70-80%0.40-0.60
グラフィル
NS70LE
共押出+多層積層PET+コポリエステルブラッグ反射80%+0.35-0.45
リケンテクノス
NS-003HC
スパッタリング+コーティングセラミック+ポリマー反射+吸収80-85%0.35-0.40

まとめと透明フィルムの選び方

透明フィルムがなぜ透明なのに熱をブロック出来るか?を少しはわかって頂けましたでしょうか?
各メーカーにより材料や工法も違うという事もわかって頂けたと思います。

フィルムをお選び頂くポイント
👉遮熱性能・IR拒否率で選ぶ
┗遮蔽係数(熱の透過を抑える数値/低いほど良い)やIR拒否率(赤外線をどれだけカット出来るか)の値を参考にする。
👉透明度で選ぶ
┗可視光線透過率(人の目で見える光をどれだけ通すか)の値を参考にする。※フロートガラスで82%~90%程度
👉予算で選ぶ
┗見た目はわからずともフィルム性能やメーカーや材料・工法により値段が変わりますので予算と照らし合わせる。
を参考にしていただくと良いかと思います。

ソラマドでは上記記載の全メーカー・フィルムを取り揃えておりますのでお気軽にお問合せ下さい🌷